2011/12/31

インドで小売り外資規制緩和の話が混線

食品スーパーなどに外資の参入を認めるインドの規制緩和を巡り国内の調整が迷走している。政府の方針に対して野党だけでなく連立与党からも反対論が噴出。出店許可の権限を持つ地方政府も巻き込み、反対勢力は出店の対象となる都市の約半分で外資排除の構えを示す。支持に陰りがみられるシン政権を揺さぶる材料にもなっている。日経より。

インド、小売り外資規制緩和

インド政府が24日、スーパーやコンビニエンスストアなど総合小売業へ最大51%の外資出資を認めることを決定したことで、日本や欧米の小売業の出店戦略が本格化しそうだ。ローソンは2012年中に1号店の開店を目指し、イオンも市場調査を進める。ただ、物流網の未整備や地価高騰など課題も多い。

出資規制がほぼ撤廃される専門店チェーンでは「無印良品」を運営する良品計画が14年2月期の進出を目指し、「ユニクロ」のファーストリテイリングも「いずれ出たい」(柳井正会長兼社長)と意欲を見せる。日経より。

コカ・コーラ、インドに1600億円投資

飲料世界大手の米コカ・コーラはインドで2012年からの5年間に約20億ドル(約1600億円)を投資する計画を明らかにした。主に工場の能力増強や販路拡大、マーケティング費用などに充てる。同社がインドで大規模投資に乗り出すのは初めてという。日経より。

現代自動車のインド拠点、チェンナイ

トヨタがベンチマークとする現代自動車はどうか。インド南部チェンナイに年産60万台の工場を置き、韓国から部品会社約100社を呼び寄せた。低価格車を世界100カ国以上に送り出す。生産集積の巨大さ、輸出先の多様さはトヨタの比ではない。

トヨタは現在4割の新興国での販売比率を15年に5割に引き上げることを狙う。日本からの輸出では採算が悪く、個々の国・地域向けに絞った現地生産では量を追えない。それぞれの海外工場が自立し、世界向け輸出拠点に生まれ変わる。1980年代から現地生産を加速してきたトヨタのグローバル化が新たな段階に入る。日経より。

参考になる「現代自動車のグローバル化」の特集ページ

ヤクルト、インド事業を強化

ヤクルト本社はインド事業を強化する。2013年3月期中をめどにチェンナイなど主要3都市に、主力の乳酸菌飲料「ヤクルト」の営業拠点を新設し、販売地域を計6都市に倍増する。

ヤクルト本社はダノンとの合弁会社「インドヤクルト・ダノン」を通じ07年にインドに進出。首都デリーや商都ムンバイ、IT企業が集積するバンガロールの3都市周辺に計13の営業拠点を設け、ヤクルトを販売している。

これらの進出地域での拡販に加え、来年にもチェンナイ、ハイデラバードといった人口が500万人を超える大都市や、綿工業が盛んな西部のアーメダバードに進出。当初は小売店に売り込むが、訪問販売員「ヤクルトレディ」による宅配も手掛けていく予定。日経より。

日清、インドで即席めん生産を増強

日清食品ホールディングスは2013年末までに、インドの即席めん工場を倍増する。同国の東・南部にそれぞれ1工場を建設し、計4工場体制を構築。生産能力を従来比3倍の年15億食に引き上げる。総投資額は50億円程度とみられる。同国では経済成長に伴う共働き世帯の増加などから手軽に調理できる即席めん市場が拡大しており、生産能力の増強を急ぐ。

傘下の現地法人、インド日清(バンガロール)が手掛ける。同社は北部のハリヤナ州、南部カルナタカ州に計2工場を抱えており、年間生産能力は約5億食に上る。

同社は東部オリッサ州の工業団地内に約2万6000平方メートルの用地を取得。12年秋に新工場を稼働し、焼きそば風の現地ブランド「トップラーメン」や、「カップヌードル」を生産する。投資額は約20億円。東部に足場を築き、輸送費などのコストを削減する。日経より。

三菱重工業、インド企業に技術を供与

三菱重工業は27日、インドの機械大手ラーセン・アンド・トゥブロ(L&T)に造船技術を供与すると発表した。資源運搬船などの設計や、資材調達、品質管理などのノウハウを技術支援の形で有償提供する。日経より。

丸紅、インドで投資拡大

丸紅はインドで運営に参画する発電所を拡張する。2015年をめどに発電能力を現状の約4倍に引き上げる。拡張に必要な総投資額は454億ルピー(約690億円)。インドでは電力不足が続いており今後も製造業の拡大などで電力需給は逼迫する見通し。日本政府による鉄道や発電所建設などインドのインフラ整備への融資も計画されており、丸紅は今後も新規発電所の運営参画を目指す。

拡張するのはインド南部タミルナドゥ州の工業団地が集積するチェンナイから南に300キロメートルに位置するガス火力発電所。新たに発電設備を3基設置し、最大143万キロワットの発電能力に引き上げる。日経より。

インド南部インフラ事業に日本が積極肩入れ

日本、インド両政府は28日の首脳会談で、日系大手メーカーが進出するインド南部のインフラを共同開発する「インド南部中核拠点開発構想」で合意する。都市計画の専門家を派遣し、円借款の供与などの資金協力をする。日本の先進的なノウハウを活用して道路や港湾の整備を進める。日本の新幹線も売り込み、開発が加速するインド南部のインフラ需要の取り込みを狙う。

インド南部ではバンガロールにトヨタ自動車、チェンナイには日産自動車、東芝が進出。ベンガル湾などを利用した輸出拠点に育てる方針で、関連の日系部品メーカーの工場建設も増えている。ただ、北部に比べてもインフラ整備が遅れ、現在は物流コストが高いなどという問題がある。日経より。

日立、インドで鉄道車両を生産

日立製作所はインドで鉄道車両の生産に乗り出す。日経より。

重慶と日立、環境分野で協力

中国の重慶市と環境配慮型都市(スマートコミュニティ)開発などの環境分野で幅広く協力することで合意した。中国で3番目の経済開発特区(新区)である重慶市両江新区で今後整備される社会インフラなどに日立の先端技術や関連ノウハウを活用する。日立は重慶市とモデル事業作りや技術交流、地元企業との協業などを推進する。具体的な対象分野は、環境配慮型都市、スマートグリッド(次世代電力網)、電気自動車など。日経より。

重慶関連

福岡商工会議所が中国の重慶市の経済団体と業務提携

ペイパルが重慶に電子商取引の国際拠点を設立

広東省と重慶市が連携

スズキ、重慶に新工場設立

重慶市、日本企業を誘致

三井住友銀行、重慶に支店開設

2007年のエコノミスト誌の重慶の記事



重慶に三井住友銀行が支店開設

三井住友銀行の中国法人は、中国銀行業務監督管理委員会から重慶市に支店開設の認可を取得した。内陸開発の拠点都市である重慶市に邦銀が支店を開設するのは初めて。内陸に進出した日系企業のほか、地元行などとの協調融資を軸に中国系企業の開拓も進める考えだ。

重慶市では10年に上海の「浦東新区」、天津の「浜海新区」に次ぐ、中国3番目の国家級の経済開発地区「両江新区」を設立。台湾系のIT(情報技術)関連企業など外資系企業を中心に工場誘致が加速。日系企業を対象とした工業団地の建設も計画している。日経より。

重慶市、日本企業を誘致

重慶市は28日、日本企業向け工業団地を設置した。デンソー、関西ペイントなど5企業が既に進出を決め、投資総額は14億元(約170億円)にのぼる。日経より。

スズキ、重慶に新工場建設

スズキは中国に乗用車の新工場を建設する。2015年をめどに合弁会社、重慶長安鈴木汽車(重慶市)の年産能力を現在の25万台から50万台に倍増させ。合弁の投資額は600億円程度とみられる。中国では今後、先進国並みの排ガス規制が導入される。スズキは新開発のエンジンを現地生産するなどして規制強化に対応しつつ、成長が続く中国内陸部の需要を取り込む。

新工場建設に向け、重慶市が合弁会社の長安鈴木に用地を無償で貸与する。両者が貸与契約に調印した。日経より。

広東省と重慶市が経済協力拡大で協調

中国共産党の汪洋・広東省委書記と薄熙来・重慶市委書記は11日、北京市で会い、両地域間の経済協力拡大に合意した。広東省各紙が12日伝えた。両氏は2012年秋に最高指導部の共産党常務委員入りが有力視されるライバル。これまで政治的立場や政策を巡る対立も取りざたされており、両氏が強調をアピールしたことは注目を集めそうだ。日経より。

2011/12/29

「世界の工場」で賃金上昇

低コストの労働集約型産業で「世界の工場」と呼ばれるまでに発展してきた中国広東省で、人件費の上昇が長期的に続く見通しだ。同省は労働者の最低賃金を2015年まで年平均13%以上引き上げる方針。物価高に苦しむ労働者の生活を改善するほか、産業構造の中心を大規模な製造業やサービス業に移す狙いがある。


賃金引き上げには、高い賃金を支払える付加価値の高い産業への構造転換を促す意図もある。広東の労働集約型産業は人件費がより安い中国内陸部や東南アジアの台頭で競争力が低下。省トップの汪洋・共産党委書記は「経済の発展モデルを変えなければならない」と構造転換を急ぐ。日経より。

残業に怒り心頭、道路封鎖で会社に抗議

中国の労働実態を監視する米国の非営利組織(NPO)、チャイナ・レーバー・ウオッチは25日までに、広東省深圳市の台湾系コンピューター部品工場で22日に労働者約千人が参加する大規模ストライキが起きたと伝えた。残業などに不満を持ち、道路を封鎖して会社側に抗議したという。日経より。

札束が詰まった旅行カバンが向かう場所

6月、香港取引所に旅行カバン世界最大手のサムソナイト・インターナショナルが上場した。母国の米市場でなく、香港への単独上場を選んだのは「今後、世界経済の重心がどこに向かうかを考えた結果」(ティム・パーカー会長)だ。

成長センターの中国市場を開拓するため、現地に上場して知名度を高める。そんな動きが加速している。新規上場による資金調達額を市場別にみると、2009年〜11年の合計で香港はニューヨークを抜き首位。上海、深圳と合わせたシェアは4割に上る。東京証券取引所はサンパウロ、ムンバイ、マレーシアを下回る2.3%にすぎない。日経より。
 

生活様式の変化の流れに乗るドラッグストア

香港の大手ドラッグストア「ワトソンズ(屈臣氏)」の中国本土での店舗数が近く1000店に達する見通しだ。所得水準の急上昇や若者を中心とする生活様式の変化の流れに乗り、店舗網を拡大。2008年〜09年の金融危機以降も急ピッチの出店を続け、09年11月の500店達成から2年強で店舗数を倍増させた。今後は「16年末に3000店」を目標に据える。1000店目は9日に上海市内で開店する予定。日経より。

マツモトキヨシ、2012年春に、中国へ向かいます。

広東省から耳に入ってくる買収話

中国の音響機器メーカーの深圳市漫歩者科技(広東省)は9日、日本のヘッドホンメーカーのスタックス(埼玉県三芳町)を買収すると発表した。買収額は1億2千万円。自社の低コストの生産技術とスタックスの高い技術を結びつけて販売拡大を図るという。スタックスの目黒陽造社長が保有している全株式を買い取る。日経より。

台湾系食品2社、ハンセン指数へ

ハンセン指数(香港市場を代表する株価指数)
台湾系の食品大手2社の採用が決まった。同指数を算出する恒生指数は11日、四半期ごとの構成銘柄見直しの結果、康師傳控股と中国旺を新たに組み入れると発表した。今回は除外される銘柄はなく、指数構成銘柄は46から48に拡大する。日経より。

2011/12/24

アジアで存在感を高めアピールする場、香港取引所

米皮革品大手のコーチは12月1日に香港取引所に上場する。米ニューヨーク証券取引所で上場している同社にとって香港との重複上場となる。新株の発行はせず、既存の株式を担保に発行する預託証券(HDR)が取引される形となる。香港上場を通じ、中国を中心とするアジア市場重視の姿勢を鮮明にする。
今回の上場では新株を発行しないため、資金調達はゼロ。上場の目的について香港取引所に提出した文書の中で、投資家層の拡大とともに、「アジア(市場)に深くかかわり、焦点を合わせていることを示す」「アジアの顧客や投資家に対する知名度を高める」などとしている。日経より。

高級ファションブランドの香港進出が目立っている。

コーチ上場の前に、プラダが2011年6月に香港取引所に上場。ブルームバーグによればプラダ株は「流行遅れ」になりつつあると。中国で消費減速の予想からプラダ株は7月に付けた最高値から34%下落している。

けれどプラダの決算を見ると、8〜10月期の決算はアナリスト予想を上回るもので業績は堅調。純利益は前年同期比で75%増。日経によれば、本国イタリアやその他の欧州各国でそれぞれ3割前後の増収だったほか、中国を中心とするアジア太平洋では45%伸びた。日本でも売り上げが20%増加。

また中国進出で際立つのがイタリア高級ファッションブランドのゼニア。2010年の11月11日号のエコノミスト誌にゼニアにとって中国が世界最大の市場だとある。

One of Zegna’s priorities will be to keep extending its distribution network, which has absorbed more than half of its average annual investment of around €50m over the past decade. Next year the firm will celebrate 20 years of selling in China, where its 91 shops now have sales exceeding those of the 14 it has in America; Italian sales rank third.

企業を吸い寄せる香港証券取引所

若い女性向けの衣料品ブランド「mousy(マウジー)」などを展開するバロックジャパンリミテッド(東京・目黒)が香港証券取引所への新規上場を検討していることが10日、分かった。すでに香港証取への申請手続きは済んでおり、早ければ年内の上場を目指すとみられる。
国内証取と重複して香港に上場した例はあるが、国内を通り越して日本企業が直接香港に新規株式公開をした例はない。日経より。

米グーグルが香港にデータセンター建設

8日、香港で同社にとってアジア初となるデータセンターの建設に着手した。

同社によると、土地代も含めた香港での総投資額は3億ドル(約234億円)。アジアのデータセンターのハブ(中心)を目指している香港政府の全面的な支援を受け、九龍半島南東端の将軍澳地区に2.7ヘクタールの用地を取得した。日経より。

住友商事、広東省に肥料の合弁工場設立

8日、中国広東省に肥料の合弁工場を設立したと発表した。住友商事が50%、中国化学品大手の青島ソーダが50%出資する合弁会社、仏山住商肥料(広東省)を通じ、年産20万トンの工場を設立した。総投資額は20億円前後とみられる。穀物や果物、野菜向けの高機能な化成肥料を量産する。主に中国国内向けに販売し、一部を東南アジアに輸出する。日経より。

広東省珠海市、中国国内の高度な自主権エリア

中国広東省珠海市は香港や海外の企業を呼び込んで開発する市南部の横琴新区に対し、2012年1月から財政や人事で高度の自主権を与える。本来は市に納める税収を区内の政策で使えるようにする。
土地の使用権売却で得た収益も区内で使えるようにする。財政基盤を強化し、サービス業や文化産業など新産業の育成を急ぐ。人事では科長(課長)以下について新区で決めることができるようにした。日経より。

2011/12/23

ニュー広州、ニュームーブ

中国広東省は広州市南沙など沿海3地区で新産業の振興に乗り出した。企業などの税率を香港・マカオ並みに抑え、香港や海外から金融や情報技術(IT)などの先進企業を呼び込む。「世界の工場」と呼ばれた同省は人件費の上昇でコスト競争力が低下。サービス業やハイテク産業の育成で経済成長の持続を目指す。

新産業を育てるのは広州市南沙、深圳市前海、珠海市横琴の3地区。このうち横琴は企業所得税の税率を通常の25%から15%に引き下げるなどの優遇策を適用することが8月に決まった。広州市と深圳市もそれぞれ同様の優遇策を設けることをめざし、中央政府との調整に入っている。

広州市南部の南沙はトヨタ自動車の合弁工場や造船大手の中国船舶工業集団系の大型輸送船工場が稼働する製造業の拠点だ。同市は金融や医療、建築、IT、アニメ産業の振興も図る考えで、香港などでの企業誘致活動に乗り出した。

南沙は中国と香港の経済面の融合を進める経済緊密化協定(CEPA)の先行試行地域。香港企業や外国企業の香港法人に対する医療や建築などサービス分野の自由化が中国本土で最初に進む見通しだ。広州市は企業誘致の優遇措置を独自に設定できる「国家級新区」の認定も目指す。

深圳市南部の前海も金融や会計、物流などのサービス業の誘致を図る。優秀な人材を招くため個人の所得税率を実質的に最高20%までに制限したり、企業間のトラブルを解決する商事法廷に香港から陪審員を招くなどのユニークな制度づくりを探っている。

先行する珠海市の横琴では、すでに香港企業など2社が合計380億元(約4700億円)を投じ映画の制作拠点や商業施設を建設することを決めた。隣接するマカオの澳門大学の分校を地区内に設けるなど香港、マカオとの融合を進める。日経より。

トヨタ、広州市でカムリ生産開始

トヨタ自動車は8日、中国で中型セダン「カムリ」の新型車生産を始めた。

中国の自動車大手、広州汽車集団(広東省)と広東省広州市の合弁工場で生産。2012年にはハイブリッド車(HV)を追加しガソリン車と合計で年20万台の販売を目指す。日経より。


ホンダ、広州市で電気自動車の実験

ホンダは8日、中国広東省広州市で電気自動車(EV)の実証実験を始めた。小型車「フィット」をベースとした車両を使い、中国の都市環境に合った性能や充電インフラを探る。成果を2012年にも広州汽車集団(広東省)と合弁生産を開始するEVなどに反映する。日経より。