2011/12/20

ヨーカ堂、祖業の衣料部門の衣替えが難航

セブン&アイ・ホールディングスの連結経常利益が2012年2月期、17%増の2840億円と最高益を更新する。ただ、コンビニエンスストア頼みの収益構造に変化はなく、スーパーや百貨店など他の事業は回復途上だ。総合小売りの特性をどう生かすかが、株価浮上への課題だ。

「このままでは社員が路頭に迷う」。店舗の大量閉鎖も取り沙汰されるなか、危機感から部門横断的に約50人の緊急対策チームを組成。激論の末出した結論が「売り上げはすべてを癒す」(ダイエー創業者の故・中内功氏)という業界の呪縛からの脱却だった。
キャッシュバックがなくなったヨーカ堂の売り場では、むやみな安売りが影を潜め、黒毛和牛や本マグロのトロなど高単価品の販売に力が入る。こうした変化はすべて売り上げ至上主義との決別から始まった。今年上期、ヨーカ堂は60億円の営業黒字に浮上。売上高が減る一方で、粗利益率が約30%と1.4ポイントも改善した。

ヨーカ堂からコンビニや金融などの新事業が次々に育ち、社名やイメージロゴをセブン&アイに変更してきた同社はいわば「脱皮の歴史」を持つ。
「我々はまだ過去の成功体験に縛られている」と鈴木敏文会長は言う。売り上げ主義から決別し、祖業に切り込むヨーカ堂改革では、グループ全体にその問題意識がどこまで浸透しているかが試される。日経より。

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