震災に襲われた2011年が暮れ、新たな年の幕開けが近い。各界のリーダー、識者に今年の総括と来年に向けた展望や課題を聞く。初回は中国など新興市場で勢いに乗る日産自動車のカルロス・ゴーン社長。
「今世界で起きているのは、戦略産業の呼び込み競争だ。日産はバッテリーの量産を始める米英で、政府から低利融資などサポートを受けた。中国も自動車産業の育成に焦点を当てている。日本政府も自動車関連税を一部軽減するなど、いいニュースが出てきた。補助が欲しくて言うのではない。政府が企業誘致の国際競争に鈍感なままだと、一国の産業基盤が傷ついてしまう」
「日産は中国では日系メーカーとして首位に立った。新しい市場は投入車種も工場も販売網も白紙から絵を描くことができ、その巧拙が結果に直結する。中国で成功したからといって、ベトナムでうまくいくとは限らない。世界中の企業にとって『ニューゲーム』が始まったのだと思う」
「現場力や品質管理などに強みがある日本企業に必要なのは人材や考え方のダイバーシティ(多様性)だ。新市場を現地のパートナーと協力しながら開拓する。相手から学び、こちらも教える。成功体験に固執するのは良くない。日産のトップ100人のうち、日本人はおよそ60人で、残りは私をはじめ世界各地の出身者だ。組織のなかに多様性を定着させることが、日本企業や日本社会の課題ではないか」日系より。
0 件のコメント:
コメントを投稿