今やニューヨークやジュネーブを抜いて香港が宝石のオークション地として一番だとオークション会社のクリスティーズのアジア部門社長が言ってます。香港は宝石の他に、ワイン、現代美術、骨董品などのオークション地としても勢いがある場所。香港の税制とか中国本土の富裕層の急激な増加などの要因がありそうですが、なによりも感じるのが香港の「攻め」の姿勢。積極的に人、モノ、金が集まるような仕組みをつくっている。
そして今香港の九龍西岸地区で計画が進行中のWest Kowloon Cultural Districtは、おそらくかなり大きなサイズの文化複合地区になるはず。そしてオランダの建築家レム・コールハウスがその計画の提案をしている。レム・コールハウスは2002年にタッシェンから出版された「Great Leap Forward」という珠江デルタ地区のフィールド調査で構成されているかなり分厚い本の編集に加わっている。この本は写真、データ、地図など莫大な資料でパンパンに詰まっていて、このエリアが爆発的な変化をしていることが分かる。
この本は、アジアの現代美術の資料を保存・収集する香港の「Asia Art Archive」で見つけた。この場所はアジアの美術館の展覧会のカタログや雑誌、そして本など2万6000点を超える資料にアクセス出来る。アジアの現代美術を学術的に研究、調査するリサーチャーには貴重な場所で、今年が設立10年目となる。
香港は、香港国際芸術展というアートフェアを開催しつつ、Asian Art Archiveのような学術的に充実した場所も作っている。さらにオークション地として香港はニューヨーク、ロンドンといった都市と並ぶ場所。香港は現代美術のハブになる要素を持ち、それらを発展させている。
そういえば香港の寿司店経営者が築地の「初競り」のときマグロを競り落としたことを思い出し、やはり香港はどこまでも「攻め」の姿勢なんだと思った。初競りという正月の築地の行事に、外国枠として「食い込み」かつ「競り落とす」イメージは強烈。アウェイをものともしないタフな感じ。この気概が香港を面白くしていて、人を呼び込んでいる気がする。
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